白衣は、厨房や研究開発の現場などでも着用されますが、一般的には「医療現場=白衣」というイメージが定着していると思います。実際に、白衣は日本の医療現場で長く親しまれてきて、現在でもドクター・看護師の制服を白衣としている病院・クリニックは少なくありません。
少し話が遡りますが、白衣の生みの親はナイチンゲールだということをご存じでしょうか。ナイチンゲールは、クリミア戦争に看護婦として従軍したときに、白帽に白いエプロンを身に付けるナーススタイルを確立しました。その後、彼女のナーススタイルは日本にも伝播し、昭和に入ると、白衣は全国の病院に普及していきました。こうして「医療現場=白衣」のイメージが定着していったわけです。
白衣を着ていると、ドクター・看護師だと識別しやすいだけでなく、医療のプロであることが強調されて信頼感を演出できます。こうしたメリットを持つ白衣ですが、実はデメリットがないわけではありません。
白衣を見ると血圧が上がる!?
医療従事者ならご存じかと思いますが、白衣を見ただけで血圧が上がる「白衣高血圧症(ホワイトコート症候群)」と呼ばれる症状があります。自宅で血圧を計ると正常値なのに、病院で白衣を着たドクターや看護師を見ると緊張・ストレスを感じて一時的に血圧が上がってしまう人がいるのです。軽度の高血圧の人のうち、2~3割は白衣高血圧症で、特に日本人に多い症状だと言われています。もともと緊張しやすい人や、幼い頃にトラウマがある人がなりやすいと考えられています。
白が持つマイナスイメージとは?
白は清潔・純粋で汚れない印象を持つ色である一方で、場合によっては、「冷たい」「怖い」といった印象や「威圧感」を与えてしまうケースもあります。
「もしかして重い病気なのではないか・・・」「手術することになったらどうしよう・・・」など、不安な気持ちでいる病院の待合室。名前を呼ばれて診療室に入ったら、目の前には白衣のドクターや看護師がいる――緊張やストレスで血圧が上がってしまうのも、分かる気がしますよね。
一歩先行くアメリカのメディカルウェア
1990年代、アメリカの医療現場では、それまでの白衣に代わって「医療スクラブ」が大流行しました。スクラブは、半袖・Vネックのシャツとパンツの組み合わせで、色や柄のバリエーションに富んでいるのが特徴です。カラフルで親しみやすいスクラブは白衣特有の冷たさがなく、子供や高齢者、そして白衣高血圧症の人にも好評を博しました。
メディカルユニフォームまとめ
海外の医療ドラマがきっかけで、日本でもスクラブを導入する病院・クリニックが増えましたが、今なお、白衣を制服としている医療機関も多くあります。日本は欧米に比べると、「医療現場の制服は白衣であるべき」といった考えが根強いのかもしれませんね。
とはいえ、私たちの衣服は時代の変化に合わせて形を変えていくものであり、それはメディカルウェアも例外ではありません。もちろん白衣ならではのメリットは多くありますが、何となく変化をためらっているだけなら、スクラブを検討してみる価値はあるのではないでしょうか。それが、患者満足、従業員満足へとつながっていくかもしれません。
医療スクラブカタログについて
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